『 牧港テラブのガマ 』は、地元では『 ティランガマ 』とも呼ばれる琉球石灰岩の自然洞穴です。
内部には拝所(ウガンジュ)が何ヵ所かあり、洞穴の外の前庭は牧港の殿(トゥン)(祭祀場)と推定されています。
この洞窟には伝説があり、伊豆大島に流刑になった源為朝が、潮流に流され沖縄に辿り着き、そこで大里按司の妹と結ばれ子供を授かりますが、源為朝は、ひとりで故郷へ戻ってしまいます。
幼い尊敦(そんとん)と母が源為朝の帰りを待ち続け、それ以来この地は、待つ港 →『 待港 』と呼ばれ、転じて『 牧港 』になったということです。
男の子の名前は『 尊敦(そんとん) 』といい、後に琉球国最初の王『 舜天王(しゅんてんおう) 』と呼ばれます。
ガマ内部は、約30㎡の広さがあり、床には砂利が敷き詰められていて、天井には小さな鍾乳石が多数見られます。
現在も『 御嶽 』(祈りの場所・聖域)として信仰されている。