この『底仁屋の御神松(スーナのウカミマーチ)』と呼ばれるリュウキュウマツの大木は、推定樹齢220年~250年。
高さは約10m、地上1mでの幹の直径は145cm、幹の周囲は455cmもあります。
四方にバランスよく延びた枝は美しい樹幹をつくり、約200坪の土地をおおいます。
その雄々しい姿に心のよりどころをもとめた人々は、この松をいつしか『御神松(ウカミマーチ)』と呼ぶようになり、去った太平洋戦争時には戦地へ出兵する若者の無事を願い、この松の下で見送りました。
また、涼しい木陰は稲を脱穀したり薪を割って束ねたりする仕事場でもあり、道行く人々には心地よい涼しさを与えてきました。
風は歴史を語る心待ちして
ゆかしき仁を讃え仰ぎつ
松の下に建つ碑に刻まれた短歌は。昭和37年(1962年)、久志村立天仁屋小中学校に校長として赴任した吉田賀盛さんが、美しい枝を持ち、雄々しく生育している老松の見事さに心を打たれ、その松を植えたゆかしき人を偲んで詠んだ歌です。
リュウキュウマツは、琉球列島固有樹木でトカラ列島から与那国まで分布し、防風防潮林や風致林などに植えられ、材は薪炭材となります。
天仁屋区・名護市教育委員会より